けんちーのアニメ中心生活ブログ改

『ハプニング』

人類は滅びたいのか。




いやぁ。見えない恐怖。宇宙からエイリアンが襲ってくるわけでもない。ゾンビが沸いてくるわけでもない。人が凶暴化するわけでもない。人工のウイルスがバイオハザードを起こすわけでもない。暗闇が怖いわけでもない。
正体不明の見えない恐怖がこれほど怖いとは。
中盤で理化学者である主人公にはある程度脅威の正体が分かるんですがそれでも、対処のしようがない恐怖。
これはなかなか面白かったです。劇場が静かなこと静かなこと。バシッと怖いシーンがあるわけじゃないから、通常のホラー映画で聞く観客の悲鳴も少ないんです。でも、怖い。
なかなか良い映画でした。
けんちーはいつもEDのテロップを眺めながら映画の面白さや怖さを反芻するんですが、隣に座っていたバカップルの彼女が『なんなんこの映画。こんなわけの分からない映画初めてやー。』とそれこそ『ハプニング』の兆候みたいに繰り返してました。
人の悪口を言うのはホントに避けたいんですが、それを聞いて心の中で思ったのは『いやいや。それは貴女の頭が弱すぎるだけさ〜。』ってことです。確かにこの映画、恐怖の正体はなかなか判明しませんが、最後には全て事態がはっきりするし流れも単純。
最近ありがちな意味不明の映画ではなくきっちり芯の通ったホラー映画でした。
ってことで、以下ネタばれ警告。見に行く人は見ないでください。















トーリー
ある日突然、アメリカ全土からミツバチが消えるという異常現象を皮切りに、世界中の人々が突然死に至る病がまん延し始める。人類滅亡の危機を前に世界はパニックに陥っていた。その地球危機の中で主人公(マーク・ウォールバーグ)は家族を守るために安全な土地を目指し、迫りくる何かに追い込まれながらも、希望を捨てずに原因究明と家族のために逃避行を続けるが……。(Yahoo映画より)


平日の朝8時33分。平和な時間の流れるNYのセントラルパークで一人の女性が自分を掻き毟って自殺するというひぐらしのなく頃にさながらのシーンで始まったこの出来事。
大きな都市から小さな町までアメリカ北東部の全ての地域で突然人々から思考能力が無くなり次々と自殺していく事件が起こります。大規模なテロなのか?政府の大規模な実験なのか?深刻なバイオハザードなのか?

大都市のNYからフィラデルフィアの田舎へ逃げるため電車を待つエリオットたち



アメリカ北東部のどこにも逃げ場が無いことをテレビのニュースで知る


とにかく見えない恐怖を感じながら事件の起こっていない場所を求めて逃げる理系教師のエリオットと妻のアルマ、そして親友の忘れ形見となった少女・ジェス。


この映画の見所(?)はなんと言っても突然意志を無くし自殺していく人々の様子ですね。次々とスキップするようにビルの屋上から飛び降りる人々、持っていたペンを躊躇無く首筋に突き刺す女性、耕作用の重機を発進させ自らその進路上に寝転ぶ男性、警官が自殺して落とした銃で順番に自分の頭を打ち抜いていく通勤途中の人々。そして、逃げ込んだ街の木には果物のように大量にぶら下がった首吊り死体。
誰が襲ってくるわけでもない。ただ突然自殺していく。グロいのが苦手なけんちーにはなかなか厳しいシーンもありました。


逃亡の途中で主人公のエリオットは脅威の正体を植物が連携して生じさせた人類に対する神経毒であると推測(ある種の藻は自分の天敵である特定の魚を神経毒で殺すらしい)するんですが、対処のしようが無いんですね。

少し離れた場所にて神経毒にやられて
  自殺していく集団の人々をただ見つめることしか出来ない3人


せいぜい、神経毒を運んでくる風から逃げる、植物のセンサーにかかりにくくするために出来る限り少人数で行動する・・・など。


最後は、一人単位で行動しても発症するまでに敏感になってしまった植物のセンサーから逃げるのを諦めてただただ小屋で3人固まって震えてました。

ラスト直前、逃げ場なし


結局この『ハプニング』はアメリカの北東部以上のエリアの拡大を見せず、しかも発生の次の日の9時38分に突如収まりました。
3ヶ月後、落ち着きを取り戻し幸せに暮らすエリオットたち。しかし、ちょうどその時他の国(どこか忘れた)の公園では再び言語障害・・・そして悲鳴が。ってところで終わりました。


とりあえず、凄く怖い映画でした。何が怖いって、見てると自分が狂って自殺しそうな気になってくるのが怖かったです。植物こええーー!!と思いました。