その 遥かなる未来へ。
けんちー的満足度・☆☆☆☆☆(5.0)
kenchi555.hatenablog.com
〈5年後の『CREPUSCOLO』感想〉
8時34分。
ということで、昨日なんばパークスシネマで観て来た、けんちー的人生で最高の作品であるARIAの劇場版、『ARIA The AVVENIRE』の感想を書こうと思います。
〈蒼のグランドフィナーレからカーテンコールへ〉
いやぁ、ま、このブログのメイン画像でも使わせてもらってる通り、ARIAはけんちーの中で唯一絶対の地位にある作品なんですよね。10年前にまだ大学生だったころ深夜にやってた1期の第1話を観て、一瞬で惚れ、コミックも全巻買って。
で、実はちょっと不安だったんですよ。ARIAの復活だ復活だと今年の頭から期待値が高過ぎて、実際映画館に行ってみて微妙に期待外れだったらアニメオタクのけんちーの根本が崩れそうでね。
ただ、観終わってみたら、上映時間60分(3本セット)のうち多分半分くらい涙を流してたという満足っぷりで、なんばパークスでは初日の上映は満席に次ぐ満席で・・・実に7年も前に原作もアニメも完結してる作品のカーテンコールにこれだけの人が集まるとは・・・やはり特別な作品だったんですね。
ということで、完全にネタバレしながら感想を書き殴るので、ARIAの映画をまだ観に行っていない人は、以下絶対見ないでください。
〈まだ観てないARIAファンは閲覧禁止!!〉
・まずは、3話それぞれを個別に感想。
capitolo1 その逢いたかったあなたに・・・
プリマとなりなかなか藍華やアリスと会うことができない灯里。そんな、3人がたまたま水路で邂逅できた夜、灯里はアイとシングル時代のアリシアさんの裏誕生日に起こった出来事について話します。
原作の『誕生日』のエピソードに手を加えたものですね。全編に通していえることですが、アテナさん役の声優・川上とも子さん、および、カンツォーネを担当していた河井英理さんはどちらも蒼のグランドフィナーレを迎えた後に、とても若い年齢で亡くなってるんですよ。それ故にARIAファンは二度とARIAは復活できない作品だと思って過ごしてきたと思うんですよね。けんちーも7年の間にたびたび思い出してはブログに書いてましたけど。
だから、この誕生日のラストシーンで仕事中の三大妖精が邂逅するシーンもアテナさんは接客中のカンツォーネを歌いながらということで。正直ね、最初に晃さんがアリシアさんの裏誕生日のプレゼントを渡しに来た時の『アテナは今日も1日仕事が入っていて来れないんだ。』という台詞のところで既に泣いてましたもの。
ちなみに、第1話の導入部分で流れるのはアニメ第1期のOP『ウンディーネ』、もちろん、第2話、第3話のOPはそれぞれ『ユーフォリア』と『スピラーレ』と。分かってますねー。けんちーの隣りで映画を観てた人の話が聞こえたんですけど、最初の『ウンディーネ』が流れた時点で涙が溢れたと・・・ネットの他の感想を観ててもそういう人が多いみたいです。
capitolo2 その暖かなさよならは・・・
アイちゃんは灯里にケット・シーの影を追いかけていった先で、先日見かけていた藍華の後輩・あずさとアリスの後輩・アーニャが姫屋本店の新社長候補の猫を探しているところに遭遇。そのまま3人は友達になり、ケット・シーを探してたという話をします。
それを聞いた灯里は、自分がプリマになる少し前、ケット・シーとの最後の別れの場面を思い出して・・・。
映画の新キャラである新世代の3人のなれそめに原作の『ケット・シー』のエピソードを加えた話ですね。というか、この話はテレビではやってなかったのか。そう思うと、もうこのカーテンコールはひょっとしたら構想が築かれてたのかもしれないですね。
〈貴方はずっと心の中に〉
というか、このARIAという作品は第3期のアニメ放映と原作のフィナーレを同時に迎えたという特異な作品なんでタイミングの関係だったのかもしれませんが。『海の結婚式』のエピソードとか原作で描く前にアニメで先に放映したから、後から原作を描くときに天野こずえさんが大分本気で書き込みまくってスタッフが倒れたとかw どれだけ、原作者の天野こずえさんと監督の佐藤順一さんの信頼関係厚いのかと。
なお、新キャラ・アーニャ役の茅野愛衣さん。あの花のめんまを始めとしてバリバリ活躍してる方ですけど、最初に声優を志したきっかけがARIAのアニメを観たからだと。それを知ってたから監督が起用したそうですが、凄いですね。自分の職業を決めた理由である作品のカーテンコールに出演できるとか・・・それもまた奇蹟か。
capitolo3 その遥かなる未来へ・・・
アイちゃん、あずさ、アーニャの3人がアクアアルタの全店休業のタイミングを活かして開いたパーティ。そのパーティ中に疲れの溜まっていたアリシアさんはうたたね。そのまどろみの中、アリシアさんは灯里との出会いからお別れまでの思い出を順に辿っていきます。
パンフレットに書き下ろされているARIA最後のエピソード『AQUARIA』に新世代の後輩たち3人主催のパーティを絡めたARIA作品のまさにグランドフィナーレを飾る話。
最後に、ARIAという作品をアリシアさんの視点から描いた最高のエピソードです。グランマが引退した後、そのころからゴンドラ協会の要職についてくれないかと誘われていたアリシアさんは後輩を一人育てきる期間の猶予を貰い、厳正な実技とかテストも実施して新人を探すべく気合を入れて店の前に募集の案内札を立てます。
ところが、ネットで募集すらかけてない案内札立てた直後に遥か遠く離れたマンホーム(地球)の一人の少女から就職を求める電話が。
その少女に電話で『なぜ告知すらしていない段階でこの会社を選んだのか?』と尋ねるアリシアさん。その問いに汗汗しながら答える少女。
ずっと ずっと 水先案内人(ウンディーネ)に憧れていたんです
それで・・・ネットで偶然ARIAカンパニーの写真を見かけた時に
何だか―――呼ばれたような気がしたんです
その答えを聞いたとき、重責を背負って慎重に厳正に新人を選ばなきゃと悩んでいたはずのアリシアさんの心にも『この子だ!』という信号がビビビと来たんですね。
運命ですね。運命だわ。これしかない運命だったんですよ。もう、第3話始まってそうそうにだだ泣きしましたよw
その後も、灯里と過ごした時間が丁寧に描かれていて、アリシアさんの側もどれだけ灯里との出会いで成長していったかというのがね伝わって来ました。ただ、アリシアさんの結婚相手も、灯里が来る前からずっと何年も結婚を待ち続けてたんだな。それも灯里たちに一切気付かれずに・・・アリシアさん凄いなw(鬼ともいう)
〈ありがとう―――・・・灯里ちゃん。〉
で、回想シーンが終わってなお、オペラの舞台の打ち合わせで姿を現さないアテナさん。辺りが夕焼けに包まれ、パーティも解散かなと皆が起ち上ったその時、オレンジ色のネオ・ヴェネツィアに響き渡る歌声。アテナさんでした。打ち合わせの途中、窓を開いて灯里たちに姿を見せルーミス・エテルネ(アリスのプリマ昇格の時の歌)を。
この演出はダメです。泣かない人は居ないです。7年前のグランドフィナーレ以降、絶対に揃える日は来ないと全ARIAファンは思っていたでしょう。そりゃそうですよ、もうアテナさんの通り名『天上の謳歌(セイレーン)』の通り、天上の世界へ旅立たれてしまったんですもの。
〈心ふるえる 黄昏お空に
永遠(とわ)に輝く希望の星よ
ルーミス エテルネ〉
でもね、この瞬間、このシーンで、絶対に全員がこの場に揃っていました。挿入シーンでアリス昇格時の川上とも子さんの声も入れられ、揃うはずのなかった全員がこの場に確かに揃っていました。言いたいことはただそれだけ。
ED。大人の事情で歌は牧野由依さんじゃないんですが、絵柄としては最初はアリア社長とグランマだけ。次にはアリア社長とグランマとアリシアさん、そして次には晃さんとアテナさんが加わってと時代を追っていく感じです。これは、『AQUARIA』の最後のカットと同様の構図なんですが、それに最後、アイちゃんとあずさとアーニャが慌ててついて行ってと・・・良い感じでした。
〈さあっ 漕ぎ出そう・・・私たちの未来へ!〉
・さて、本編の感想はここまでで。
今回、グッズも大分買えました。三社のラバーコースターとか全キャラの缶バッジとか三人娘のアクリルキーホルダーとかね。中でもお昼寝中の灯里のキーホルダーが可愛いや。あとARIAカンパニーのマグカップだけは売り切れで買えなかったけど。アリア社長のぬいぐるみもそうそうに売り切れてたけど、我が家に社長たち三匹のでかいぬいぐるみは元々あるんでね。満足。
〈パンフ込みで偶然凄いきりの良い金額になりました〉
・で、パンフレット。2200円。高いと思うでしょうけど、映画のパンフレットというよりかは100ページ近い大きな本ですからね。そして何よりも、ARIAの最終エピソードである42ページの漫画『AQUARIA』(原作コミックはAQUA→ARIAなんでその融合ってことでしょ)が唯一載ってるんでね。
〈このパンフだけはどうしても欲しかった。〉
・最後に。
10年前に深夜アニメでやってたのを偶然目にして、一瞬でひとめぼれをした『ARIA』。深夜アニメなんてね、リアルタイムで観るわけじゃない以上、その作品を観るかどうかは偶然なんですよ。この作品に関しては、出会っていなかった場合の自分が想像できないくらいハマりましたからね。この先、まだアニメオタクは続けるんでしょうけど、何にしろ人生でこの『ARIA』以上に好きになる作品は無いと断言できます。
ARIAファンならね、この映画をスクリーンで観ないなんてことは言うまでも無く禁止です。そして、こんな素敵な作品に出会えた奇蹟と原作の天野こずえ先生、監督の佐藤順一さんを始めとするスタッフ、声優さんたちの努力に・・・でっかいでっかいありがとう。
さて、週替わりのミニサイン色紙のためにあと2回観に行くのと、今年末から順次発売されるブルーレイボックスを購入して、久しぶりに各話感想を復活させるかな。
- 作者:天野こずえ
- 発売日: 2003/10/03
- メディア: コミック
- 作者:天野こずえ
- 発売日: 2002/10/10
- メディア: コミック