手を放したら彼女は空に落ちていく。
(映画のキャッチコピーより)
けんちー的満足度・☆☆☆★★(3.4)
8時35分。
映画を観に行ってきます。
何と、ケチなけんちーには珍しく、定価で観てきます。
大阪府下で大阪ステーションシティシネマとTOHOシネマズなんばの2軒しか上映してなくて、レイトショー、電車代もろもろかんがみると、定価で行くのと変わらくなり、結論、土曜日の朝からなんばまでアルファ(交通費はほぼタダ)で行って、定価コースを選択。
と言ってる間に、もう出ます。
13時38分。
近所の『インドのルー』ってお店で昼ごはん食べて帰ってきました。
〈手仕込みロースカツカレー・特盛(850円)〉
観てきた映画は『サカサマのパテマ』。『イブの時間』の監督さんと同じ人の作品でございます。
〈真逆の世界の真実は〉
では、ちょっとだけ感想書きます。以下、ネタバレ警告。
・細かくストーリーを書くのは苦手なんで、断片的な感想をば。
・まずOP。この世界では、昔、科学技術の暴走で重力反転が起こり世界中のほとんどの建物や人々が空に食われる大事故が起こり、地上は外道で狭量なおっさんを頂点にした引きこもり、うつ病国家が築かれております。
〈物語は世界の崩壊から〉
・主人公のエイジは、そんな病気的な閉鎖国家の中で、父さんが禁忌とされている飛行機械開発の事故で死んでいることで、一般の人々とは違う感性を持っています。一方、わずかに大災厄から逃れ地下に集落を作って住んでいたサカサマ人たちの族長の娘、好奇心旺盛な少女・パテマ。
〈装備を外したらランカにも見えますが〉
地上から派遣された治安警察の襲撃で『地下から地上に落ちてきた』パテマとエイジの邂逅により世界は動き始めると。
〈実際に二人が過ごした時間は短いですが、
この世界で初めて『星空が美しい』と共感してくれたパテマにエイジはやられます。〉
〈エイジが後に逆の立場になって気付きますが、
この時点のパテマはそれでも気丈に空に落ちる恐怖に抗ってたと。〉
・この作品で面白いのはやっぱりサカサマってことですよね。治安警察に捕まり、そのまま地下世界の詳細を訊くための拷問対象にされるパテマを救うため、地下集落に住むパテマの幼馴染み・ポルタと共にエイジが奔走するんですが、その潜入風景や地下集落に潜った時のエイジの状態とかで映像の中でも頻繁に上下が入れ替わるんですよ。
それが楽しいんです。このシーンは、どちらが上の状態で描かれてるから、二人の連携(重力は中和されるから地上人とサカサマ人の体重のバランスでどちらに落ちていくかが決まる)と装備してる荷物の重さがこうで・・・とか、観てる方も混乱気味になってきますw
〈最後は可哀そうな青年〉
・地上人のリーダーなんですが、外道ですよ。そして、その心の底にあるのは、世界を狭く制限して支配したいという気持ちと空への恐れ、サカサマ人への歪んだ憎悪だけですしね。
パテマを捕らえて、空に落とそうと脅して怯えるパテマを見るときの下卑た表情とか心底むかつきますよ。ラストシーン近くでは、空にパテマを落とさないように抱きかかえるエイジの手足を順番に撃ちぬいて行って、どこまでパテマを離さないでいられるかとかやってきますしね。これだけ、むかつく感情を抱かせられたなら外道キャラとしては満点ですよね。
〈後ろの副官は最初っから良心あり〉
・途中、外道たちに追い詰められて二人は空へ落ちていくんですが、空を覆ってた施設は、昔大災厄で空に落ちて行ったサカサマ人たちが生き延びて空にああいう大地の代わりを作ったのかな?けんちーの理解力が足りないのか、そういう監督の意図なのか、はっきりしなかった気がします。あるいは、コミカライズされてるアナザーストーリーで?
〈パテマの衣装をスカートでもズボンでもなくした、設定は分かってるなぁ。〉
・うん、泣くシーンはありませんでしたけど、シンプルに良い作品でしたね。
けんちーなんかは、青空をアホみたいにボーっと眺めるのが好きなんですけど、その青い空を見るのが生まれて初めてで、しかもそれが自分を飲み込む奈落であったなら感じるのはものすごい恐怖ですよね。そして、自分を落とさないようにしてくれてるのは、自分を掴んでくれてる相手だけですし。
心を通い合わせたエイジとパテマは、最終的には完全に互いを信頼し合って躊躇なく身を預けられるようになります。
〈信頼の形〉
ま、その時点でパテマに恋心を持ってたポルタは失恋なわけで。最初から良心持ってて、余裕で味方に付いてくれた外道なおっさんの副官にポンポンと肩を叩いて慰められてるのが面白かったな。
まぁ、最後に心の汚れきったおっさんとして、下種なこと言うと、エイジとパテマのカップルは絶対に厳しいですよね。
〈その瞬間は映ってないけど、ここで絶対キスしたよね〉
エロ方面だけで言っても考えるだけで支障はありまくりますけど、日常生活でも互いの身の回りの物の重力は全て逆。たとえば、劇中で地上のパン(地上に方向に重力が働く)をパテマが食べるだけで、超食べにくそうでしたしね。
パテマが『エイジ、ご飯よ〜。』と作っても、その作った料理の重力は空に落ちていく方向にかかる訳ですから、エイジが食った場合口から入った食べ物は逆の重力に従い、口から出ようとするんでしょw むしろ、あれか、無重力状態で二人で暮らせば、まだ何とかなるのかw
《完》
※後日追記。
まとめのサイトみたいなやつを読んで。
エイジたち、アイガの人々が実はサカサマ人で正位置に居たのはパテマたちの方だったんですか。なるほどなるほど、で、エイジとパテマが物語の中盤で落ちて行った空の先にあった構造物は、実はあの星の一番内殻にある人工照明装置だったと。
そして、ラストシーンで底が抜けた先の世界こそが本当の星の外側・・・これ、難しいですね。けんちーがバカなだけで、普通の人には映画観ててそこまで理解できるのか?
なるほどね〜。
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22時31分。
サッカーの日本×オランダ戦。負け戦だと思って、このままつけっぱで寝ようと思ってたんですが、本田が2点目決めて追いつきましたね。これは、来るのか?