けんちーのアニメ中心生活ブログ改

『ハンティング・パーティ』

狙った獲物は≪最上級≫




いつものとおりただ券で映画見てきました。
『マーキュリーマン』との二択でどちらが見たいって事は無かったんですが、マーキュリーマンよりはこっちの方が面白かろうと。
以下、ネタばれ注意










花形の戦場特派員・ニュースレポーターとして活躍していたサイモン(リチャード・ギア)と相棒カメラマンのダック(テレンス・ハワード)。1995年、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の一幕、サラエボの虐殺で恋人を殺されたサイモンは生放送中にぶち切れ、以降没落していきやがて華やかな舞台から姿を消しました。

花形特派員だった頃のサイモンとダック



1995年、フォックスに詰め寄ろうとするサイモン


2000年、成功を重ねて危険な現場から遠ざかった相棒のダックは紛争から5年後の式典の様子をレポートするためサラエボへ。そこで、落ちぶれ借金まみれになったサイモンと出会い、虐殺を指揮していた懸賞金500万ドルの戦争犯罪人フォックスを追い詰めないかと誘われます。

戦争犯罪人フォックスとサイモン、ダック、ベン


以降は、クレイジーなサイモンに戦場の雰囲気を思い起こされたダックが若造のベンと一緒になって危険なセルビアの奥地に進み、国連軍の兵士からCIAの暗殺要員じゃないかと疑われたりしつつフォックス一派に接触。1度は殺されそうになったところを国連軍に救助され解放されたにもかかわらず、まだまだフォックスを狩ることを諦めませんでした。
いろいろ省略しつつ、ラストはフォックスを追い詰めた3人。3人の選んだフォックスの扱い、それは500万ドルの懸賞金でもなく、国連に引き渡すことでもなく、自分たちが手を下すことでもなく、ただ、かつて虐殺を受けたイスラム民族の住む村のど真ん中に黙ってフォックスを放置すること。無言で集まってくる人々から逃げるため必死で走ってくるフォックスの顔のアップでEDに入りました。
EDはこの映画のフィクションの部分と真実の部分とを一つ一つ照らしあわしていく独特の形式でした。


この映画、とりあえず内容には凄く惹かれました。正直、このボスニア・ヘルツェゴビナ紛争やサラエボの大虐殺とかほとんど内容を知らなかったんですが、話の内容には入っていけました。
平和な現代日本で暮らしてる日本人には実感できないですけど、民族浄化とかの名の下で行われた皆殺しやレイプを正しいことだと思わせてしまう空気が戦場にはあるんでしょうか。また、フォックスのモデルになったラドヴァン・カラジッヂという人物は多国籍軍の長年の捜索にも関わらず現在も消息不明だそうです。この映画を見たあとでは、その辺も色々あるんだろうなぁと思ったり。


まぁ、なんか難しいことを考えると文章が長くなっちゃいそうなので軽い映画の感想を。
とりあえず、リチャード・ギアは大分歳いってると思うんですけど格好良いですなぁ。ハリソン・フォードもそうだけど格好良い人は歳いっても格好良いってことでOKですね。この映画、テーマは重いんですが、それだけではなくフィクションの部分も大分加えて、けんちーみたいな素人でも内容に入りやすくしてくれてるので意外とオススメです。
公式サイトでこの映画の背景を勉強してから見るのも良いと思います。今、読んでて勉強になったので。
http://www.huntingparty.jp/index.html  ←公式サイト


ハンティング・パーティ (扶桑社ミステリー)

ハンティング・パーティ (扶桑社ミステリー)