循環する破滅。
19時56分。
今日は、会社帰りにお宮さん家に寄ろうと思ってたんですけど、夕方の16時にもなって、今夜の夜勤が決まったらしく中止になりました。最近、木金の休みが水木に変わってなおさら遊びにくくなったんですが、その休みの日すら夕方になって急遽、夜勤か・・・大変な仕事ですよ。
で、まぁ、仕方ないからエールだけ贈って、晩飯食ってきました。
〈コロッケと唐揚げのカレー大盛・ハンバーグトッピング(830円)
やはり、ここのカレーが好きです。トッピングも相変わらず安いし。〉
- ジャンル:カレーライス
- 住所: 大阪市淀川区西宮原1-7-47
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- (写真提供:wish0512)
20時01分。
今週の日曜日に買った、GANTZ/MINUSを毎日昼休みに読み進めてたんですが、読了しました。
いやぁ、一ファンとして読んで良かったです。非常に面白かった。ってことで、印象に残った部分を感想書いてみます。
・まず、全編通して敵の星人が強いですね。しょうとく星人→はなこさん星人→トラ星人→ひょうほん星人と。特に、最後のひょうほん星人の強さは・・・トラ星人編終了時の大樹のポイントから計算すると40点ですが、強すぎませんか?玄野たちが最初に遭遇したネギ星人が今から思えばあれだけ弱かったってのは。
・西くん&和泉の参戦は、はなこさん星人編から。西くんは、最愛の母親が父親の浮気により帰宅した西くんを待つかのように首吊り自殺。それの後を追って・・・ですか。和泉の方は、後に大虐殺を行ったときの性格とほぼ変わらず、盗んだベンツで暴走した挙句の死亡と。
〈主要メンバー集結〉
・西くんといえば、ステルス機能を使っての奇襲が代名詞ですが、初めて使用したのは、まだ戦い慣れぬトラ星人編から。追い詰められた大ピンチの中で偶然、周波数変更の機能を見つけてそこからですな。
・トラ星人も滅茶苦茶強かったですが、やはり最後のひょうほん星人が別格に強すぎましたね。トラ星人編が終わって、明里が100点で恋人の懐里を蘇らせた直後の連戦ですからね。連戦といえば、たえちゃんがターゲットにされた特別ミッションでもそうでしたが、それだけ特別な意味を持つミッションだったってことでしょうか。
銃のロックオンは機能しない、星人の位置を示すマーカーすら反応しない。西くんのステルスすら全く役に立たず、あの解剖されてる痛みすら気付かなくさせることも出来るメス捌き。そして、和泉に見せたカタストロフィまでの全ての未来と『鍵』であるクロノケイの存在を抹消すべく動く・・・特別過ぎるでしょ。
〈強すぎる〉
ってことで、主要人物たちとひょうほん星人の対決をそれぞれ。
・懐里(明里の想い人)。
『まあ・・・性分ッてものは・・・変えられない・・・からな。』
ひょうほん星人のあまりの強さに戦闘不能状態に陥った西を救うために不意を付かれて死亡。ひょうほん星人に皮を剥がれて擬態の材料に。やられる間際の、Xガンの連射で西くんは逃がして。
・明里。
懐里の皮を被ったひょうほん星人に一瞬は騙されて和泉を攻撃。その後の懐里の態度で彼が再び逝ったことを悟ったもののやられて。
『生きて・・・あなたは生きて』
大樹はその手を握り、もうろうとなる明里に向かって叫んだ。
『かならず、きっと生き返らせるから!待っててくれ、明里さん!』
『・・・やめて』
明里の顔に悲しげな笑みが浮かんだ。その目は、もはや大樹を見ていなかった。
『このまま・・・死なせて・・・もう・・・いいの』
これは、坂田師匠とちょっと通じますね。たとえ、ここで大樹が明里を生き返らせても、その明里はひたすら懐里を生き返らせるために自分を棄てて戦い続ける・・・そんな、螺旋はもう嫌だと。
・西くん。
懐里に助けられた後に、ひょうほん星人が苦手な光を使ったりして罠にかけますが、あえなく敗退。
・和泉。
『いいもの、見せてあげるよ。キミがどんな存在か、〈鍵〉にどんなに届かないか、ゴミみたいな存在なのか』
和泉が一番、驚愕の展開でしたよね。明里にやられた後、消えかかる意識の中でひょうほん星人にあるビジュアルを見せられる和泉。それは、赤く染まる空の下で巨大な侵略者たちと戦うGANTZスーツの戦士たち。
『・・・どういうことだ?オレたちは、こんな敵と戦うのか?』
『いいやぁ。オレたち、じゃない。キミは、そこにはいないんだ。』
『いない・・・だと?』
『そうとも、そうとも。キミは、こうなるんだよ。』
続いて見せられたのは、まさにしばらく先の未来の光景。とある駅前で、黒服の男たちと戦い、有り得ないことに一人の女をかばって、斬り殺される自分の姿。和泉にとって、衝撃だったのは、破滅を迎えた地球の未来ではなく、その最終局面の戦闘が起こったときには、最高の戦士である筈の自分は何も関われない・・・その事実だったんですね。
このひょうほん星人の見せた未来のビジョンによって、あの和泉の精神の根幹が折れました。
・大樹。
『いいかい、これからしばらく後、ボクらの前にクロノケイという人間があらわれる。ボクは仲間のふりをして、他の連中を出し抜いて真ッ先に彼を殺すのさ。』
『クロノ・・・ケイ?』
大樹はぼんやりと相手を見返した。
『そいつはボクらの邪魔をする人間だから。だからねぇ、その皮がほしいのさ。もちろん無傷でね。いいだろう、ね?』
ひょうほん星人ってのはどういう奴なんですかね?未来を見通してるのか。ま、なんだかんだあって、長い苦闘の末に大樹はひょうほん星人を倒すわけですが。倒せたのは、明里から受け取った想いと、ひょうほん星人はクロノケイを確実に殺すために綺麗な状態の大樹の皮が欲しかったってのが大きいでしょうね。最後にキレるまでは余裕をこき過ぎてたし。
〈チェックメイト〉
そして、大樹に倒された瞬間。
『・・・忘れるな。』
ひょうほん星人はまっすぐに大樹を見返して言った。
『〈カタストロフィ〉は迫っている。神は見ている、この世界を。おまえの勝利など、その前にはなんの意味も持たない・・・』
天に向かうか細いビームに変換されながら、ひょうほん星人は、大樹に向かって勝ち誇った笑みを浮かべるのだった。
このひょうほん星人の最期。後に、フリーライターの菊池の前に現れた通訳のセバスチャンの言葉に通じるものがありますよね。『神』・・・か。『神』って結局、遙かに地球よりも文明の進んだあの巨人たちのことを示してるんですかね?GANTZも他の星人たちもあいつらが作った余興?ま、その辺がGANTZの根幹なんでしょうけど。
・ひょうほん星人を倒して採点。100点を取った大樹の選択は。
答えは決まっていた。
それでも、明里の顔が見たかった。もう一度、笑うあの顔が見たかった。
涙で目の前が歪んだ。
大樹は言った。
『一番を。一番だ、ガンツ。オレは抜ける。』
・そして、マイナスを刻んでいた時は、ゼロに。
それまでの記憶を失って、日常を送っていた大樹の前に何も言わず西が。そして、直後に地下鉄の駅構内である事故の現場に遭遇します。
全ての記憶を失くした筈の大樹の口から漏れた言葉は
『ああ、そうか、始まッたんだ。』
・と本編はここで終了なんですが、後日談のエキストラフェイズが。
大樹が去った後、何度目かの新宿でのミッション。ひょうほん星人が見せた未来のビジョンで精神の根幹の部分が折れた和泉は、そこそこ戦える数人とグループを組んで何かに怯えるように星人と戦っています。
西くんの方も、ひょうほん星人戦で心の変化があったのか、もう誰ともつるまず、完全に独自の道を歩んでます。
その新宿でのミッションのラスト。ミッションの本戦とは関係なく、後に和泉を殺すことになる『ホストざむらい』が出現。和泉は未来を変えるべく必死にこの最後の好機で『死神』を倒そうとしますが、ミッションの時間切れ。決着は付かずに転送と。
〈最後の好機〉
ミッション後に、100点を取った和泉。もちろん、強い武器を入手して、この戦いの連鎖の中で永遠に戦い続けると望んでいた筈の口から出た言葉は
『一番を』
誰が言ったのか。和泉は驚いてあたりを見回した。誰もが驚いた顔をしていた。あの西さえも。
――冗談じゃない、オレはまだ戦うんだ。さあ、二番を選ぶと・・・。
『『一番を頼む』』
その言葉が自分の口から発せられたものだと和泉が気付くのに、しばらくの時間がかかった。
・ひょうほん星人のビジョンで精神の折れた和泉に出来るのは、どう心の表面で取り繕おうと全てを忘れてしまうっていう逃げだけだったんですな。そして、記憶を失くして自室のベッドで目を覚ました和泉のそばに転がっていた黒い水晶体。その表面に浮かんでいた文字は、
《また来てくだちい》
そして、破滅は循環する。黒い球【ガンツ】の操る運命のもとに。
ってことで、非常に面白かったです。いやぁ、読んでおいて良かったですなぁ、これは。西くんや和泉の過去も分ったし、何より地下鉄の事故が起こるその以前から既にカタストロフィのことも玄野がああいう立場になるってことも全ては運命で決まっていた・・・みたいな。
どこまでの運命が決まってるんですかね?『神』が単純にあの侵略してきた巨人たちだとしたら、この先のシナリオも? そんな、妄想も膨らませられますし、こう考えるとあのクソな実写版GANTZ 前編も小説が買いたくなるよう煽ってくれたって意味で感謝ですな。
明日からGANTZ/EXA読み始めます。
- 作者: 奥浩哉,日下部匡俊,コザキユースケ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/05/19
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