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『屍鬼』全話視聴完了。

朝の光を 手放した花♪




21時34分。
えー、本日も会社帰りにお宮さん家を襲撃してきました。


ぶっちゃけ、今日は屍鬼を観に行ったってことでw

元凶は幼女です


実は、先週末に会社の後輩のNくんに『今、屍鬼を見てるんですよ。あれ、面白いですね。』と話を振られてて。けんちーも、ホラーものは大好物なんで放送当時、最初の方は熱心に見てたんですよ。ところが、第11話の後で原作ファンから抗議の電話がかかりまくってるとかで、しばらくの間放映が無くなったんですよ。そしたら、そこで途切れちゃって、再開してからも何となく見ないで終わっちゃってたと。で、それを日曜日の午後からネットの無料動画(ポルトガル語やら中国語やらの動画サイト)で見始めて、そんで、今日、お宮さん宅で20話、20.5話、21話、21.5話、最終話の5本(間の二話はテレビ未放送分)見てきたと。実は昨日も何話か流してたんで、そん時に嫌がるお宮さんにも大体の概要は話して、付きあわせました。


いやぁ、一気に最初から見直しましたけど、本当に面白かったです。ま、18話以降は血しぶき飛び散るグロさ全開の展開で、お宮さんに『今日、晩飯食われへんやん。』と言わさせましたがw




ってことで、ちょっと徒然なるままに感想でも。
まず、この作品って、段階ごとに全然見方が変わってきますよね。


〈物語序盤〉
 田舎の山奥にある土葬の習慣の残る閉ざされた村、外場村。
 村の高台の屋敷にとある一家が引っ越してきたころから、徐々に変死する人の数が増えてくる。で、このころは、不気味なものを感じつつも不幸が続くな・・・というレベル。視聴者にも、はっきりと死の原因は明かされず、人を殺す怪物?オカルト的な呪い?それとも、偶然か未知の伝染病?・・・とか。

蔓延する『死』



忍び寄るのは・・・本当に幻?





〈中盤前半〉
 視聴者には、吸血鬼的なやつらが存在して、そいつら(《屍鬼》と命名)に噛まれて衰弱死した人間のうち何人かに一人(ランダム)は、『起き上がり』という現象によって吸血する化け物になると分からされます。また、屍鬼たちはまず基本的に身内の人間から襲い、衰弱死させて屍鬼を増やしていく・・・さらには、坂の上に越してきた屍鬼の元凶、桐敷家の人間が上位存在として居ると。

桐敷家の夫婦


 で、主人公の夏野を初め、村医者の尾崎や寺の僧侶である静信など一部の主要キャラは屍鬼の存在を感じ、抗う手段を模索。

医者として



起き上がりとなった妻に対し、無情の人体実験



尾崎の親友でもある静信



〈中盤後半〉
 猛威を振るう屍鬼たち。次々に、仲間を増やし、警察官も仲間に加え、村役場の人間全てを屍鬼と入れ替え、外部へ異変を知らせる手段を無くしていく。尾崎医院とは別のクリニックを屍鬼が開業、葬儀社も屍鬼が開業し、スムーズに仲間を増やす算段を付ける。
 主人公の夏乃も親友だった屍鬼に殺され、静信は屍鬼の最元凶ともいえる桐敷家の沙子と心を通わせ自ら桐敷家へ。
ずっと、屍鬼たちの研究を続け対抗する策を練っていた尾崎も村人たちには存在を信じさせることはできず、桐敷家の夫人にかまれ操り人形に。というか、ぶっちゃけ、対抗できる主要キャラは全滅。
 屍鬼たちの数は三ケタほどにまで拡大?



〈終盤へ〉
 桐敷家夫人・千鶴の完全な操り人形となってる尾崎。村祭りの夜、神社で行われてる神楽に興味を持ってる様子の千鶴を誘ってデートへ。千鶴は、尾崎が自分の意のままになることを分かってるので神社の近くまで同伴。神気で当てられて弱った千鶴を尾崎は命令に従わず最も神気の強い神楽の祭壇へ。そこで、千鶴には脈拍も心臓の鼓動も体温も何もないことを集まった村人の前で証明。これが屍鬼という存在であり、起き上がった『屍鬼』たちが今までに死んだ無数の村人たちを殺した犯人だと発表。

屍鬼の殺し方を実践  by 恵の父親



ま、千鶴は、画像を載せたら下品になるくらいエロいキャラだったんですが


尾崎が千鶴の命令に従わなかったのは、主人公・夏乃は死んだ際に、屍鬼の中でも稀有な人狼という存在に転生しており、千鶴に噛まれる前に夏乃に噛ませて支配をさせなかったと。



〈終盤〉
 人間たちによる屍鬼狩り』の始まり。昼間は動けない屍鬼たちを次々に杭で貫き、首をはね、刃物で切り裂き・・・あっという間に、殺されていく屍鬼たち。人間側も全員の心は壊れ、歌を歌いながら、男も女も老いも若きも全ての人々が躊躇なく、見知った元友人たちを潰していく・・・と。もう、完ぺき18禁なグロシーンが続々と数話分続きますよ。恐ろしいアニメだ。お宮さんは吐きかけてました。

始まる屍鬼狩り


 この辺は、もうほとんど屍鬼』たち側の視点と言っても良いほどで。この作品ね、何だかんだで『屍鬼』たちが本当に生き生きとしてるんですね、変な言い方ですが。それぞれに感情があり、趣味があり、物語があり・・・ぶっちゃけ、屍鬼たちも主人公であると。だから、その主人公である屍鬼たちが残虐で極悪無比な人間どもに殺されていくシーンはね、普通に泣けます。
この終盤は、今まで味方視点だった人間が視聴者的にも敵にしか見えなくなってきてますもの。そう思わせる流れが凄いなぁ。
途中から変わったOPがね、この辺りの屍鬼側の悲哀を見てると心に響くんですよ。

朝の光を 手放した花
   そそがれない雨を求め  さめない眠りにつく♪



あとは、印象に残った主要キャラの最後(ほとんど死に様)について思ったことを。
奈緒さん。
 最初の方に屍鬼になった女性ですな。生前は、優しい家族に囲まれてこれ以上ないほど幸せに暮らしてました。起き上がってからは、その自慢の家族たちを仲間に加えるべく、夫も子供も義母も義父も順番に殺害。しかし、自分以外の誰も起き上がることは無く。最後は、隠れ震えてた地下水道で先の無い小さな小さなトンネルへ残虐な人間たちに追い詰められ、自分が殺した家族の幻影に怯えながら死の光である朝陽の元へ。


悲しい結末



人間視点ではこうも見えます


 屍鬼たちの多くが狩られる際に叫ぶのと同じように『私、安森家の奈緒です!奈緒です!!』と叫びながら、鎌で足を貫かれ引きづり出されてました。もちろん、全ては自業自得と言えるのかもしれませんが・・・このシーン、泣きました。


・律ちゃん。
 尾崎医院の看護師。全てが奈落へと堕ちそうなこの作品の最後の良心
 終盤で、屍鬼に殺され起き上がります。で、生きた看護婦長と同じ牢に入れられて、渇きのままに食事するよう言われますが、『自分を嫌いになりたくはない』と死より苦しい渇きに最後まで耐え続け、誰も襲うことはありませんでした。その牢番であり、夏乃を殺した親友であるトオルちゃんの心も多分、いくらかは救えましたよね?


穢れなき魂のままで


 最後は、トオルちゃんと寄り添い、暴徒と化して襲いかかる残虐無比な人間どもに杭で胸を打たれて死亡。最後の死に様が、綺麗だったのが救いでした。


・清水恵。
  第一話でメインヒロインかと思ったら、一話のラストで死にました。最初期の屍鬼

この娘がドSで超エロいと


 でも、全話見て見て、屍鬼であってもメインヒロイン枠であることは確かですよね。全く届くことのない夏乃への思いを抱え、このド田舎の村から抜け出して都会へ行くことだけを考えていた少女。もう、そりゃもう屍鬼として大活躍でしたよ、性格はドSですしね。
 最後は、屍鬼なっても都会へ出たいと思い続け、村外に出ようとしますが、人間どもの包囲網にひっかかり、畑のど真ん中でトラクターに何度も何度も跳ね飛ばされ、踏みつぶされ、最後は、脚をグシャリと潰され、左腕をトラクターに潰されて磔にされ、固定されたところを頭を完全にトラクターで粉砕。さらには、刃物で切り刻まれてたような。

まずは、手足をひき潰して



この後、隠すことなく『プチャッ』といきます。


 最後まで、村から出て都会に出たいと訴え続け、『私は恵よ、清水恵よ!!みんな、何で分からないの!?』と叫んでました。もう、自業自得も自業自得ですけど、哀れすぎる。


田中かおり&あきら。
 夏乃と組んで屍鬼の陰謀を暴こうとしてた姉弟。結局、両親も殺され、あきらの方は死んだかに思われたんですが、夏乃が村外の病院へ逃がしてたんですね。最終回で、村の惨状を眺めてました。


・桐敷沙子&室井静信。
 最後の『屍鬼狩り』の夜、あの人間側のラスボス(多分、東方不敗クラスw)の爺ちゃんに殺されかけた沙子を、最後の最後に人狼(?)と化した静信が不意打ちで滅殺。そして、救出。


静信、人狼


 沙子は言うまでもなく、全ての事件の元凶ですよ。そして、人を殺して食ってきたことに関して何も罪悪感も持ってません。でも、それが悪いことかと・・・分かりません、難しい。でもね、この作品を最後まで見て沙子に逃げ延びて欲しいと全く願わない人もいないでしょ。だから、ラストシーン、滅びへ向かう外場村を静信が車で脱出してるシーン、あれは良いですよ!!
 べ、べつに、沙子が可愛過ぎるからとかそんな邪な心は持ってませんですよ!


だがしかし、可愛い




ま、主要人物のごく一部ですがこんな感じで。


ちなみにラストシーンは。
ほぼ全ての屍鬼を皆殺しにした村人たち。しかし、村の山端から上がった炎(未放送21.5話に真相)が人々の努力も空しく、村の全てを包み込んで・・・その炎はもちろん村外からも確認され普通の消防車が続々村へと向かっていきます。そして、その消防車とすれ違うように出ていく静信の車。


ここで、終わりですけど、現場に着いた消防隊員たちが目にするのは老若男女問わず、全身血まみれで武器を持った人々、そしてその数と同数かというほどの無惨に潰された死体ですよ。
尾崎を始め、たくさんの人々が村を守るために・・・と、抗ったこの事件・・・でも、結果は避けられない村の破滅でした・・・ということで。これが、現実に起こったとしたら、即座に新聞・ニュースの一面で『山間の村で、集団猟奇殺人!!』とか見出しが躍って、ネット上でもあーだこーだと詮無い議論が行われるんでしょうね。そんなことを考えちゃった、悲しい結末でした。



屍鬼〈1〉 (新潮文庫)

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)