手紙は時間も場所も越えて・・・。
アリスが加わっての3人での合同練習。通りすがりのウッディーが宙を舞っていきます。
〈ウッディー初登場〉
その日の合同練習終了後、アリシアさんから買い物を頼まれた灯里はアリア社長と一緒に夕暮れの町に繰り出します。
広場を歩いていたとき、アリア社長は鈴の音に誘われるように路地へ。勝手に進んでいくアリア社長を追って、灯里は町から忘れられたような建物に囲まれた広場に辿り着きます。
その広場で一人の少女から一通の手紙を託された灯里。見知らぬ少女の唐突な頼みではありましたが、少女の必死の表情を見て手紙を届ける約束を交わします。
〈アリア社長に導かれて〉
〈これ・・・。これ、届けて・・・お願い。絶対届けてね。 by 少女〉
その夜、パソコンであて名を調べても分からなかった灯里は、翌朝郵便屋のおじさんに調べてもらうよう頼みます。
〈パソコンで宛名を検索〉
その日の昼間アリア社長を乗せてゴンドラをこいでいた灯里は、アリア社長の指示で初めての水路へ。水路を抜けた先にはバックに風車がまわる人気の無い水路。そこに現れた昨日の少女は、まだ灯里が手紙を渡せていないことを知って少し悲しげな顔をしますが、必ず手紙を届けるという灯里の言葉に嬉しそうな顔を見せ、家の中からの『アミ』と呼ぶ声を聞いて家に戻っていきました。
〈あなたしかいないの。
あなただけが私に気がついてくれた・・・。絶対に届けたいの・・・。〉
〈きっと、届く?
うん。 by 灯里
良かった・・・。
手紙は本当に時間と場所を越えて、心を届けてくれるのね。 by 少女〉
夕方、郵便屋のおじさんから手紙のあて先が、ネオヴェネツィアから離れた場所にある昔使われいたアクアの開発基地ではないかと聞いた灯里。ゴンドラでは数ヶ月かかるというその島へ行くため翌日に自分を『配達』してくれるようシルフのウッディーに頼みます。
〈乾いた荒地だったこの星に海を作ろうって時代があったのさ。
地下の氷を掘り出すための基地があちこちにあってな。
その1つがその宛名と同じ名前だったんだよ。 by 郵便屋のおじさん〉
藍華とアリスに見送られパンツ丸見せの状態(!)でウッディーのエアバイクに乗って飛び立つ灯里。空を泳ぐシルフの気持ちを感じつつあて名の場所がある島へと降り立ちました。
〈出発〉
〈行っちゃいましたね。
パンツ丸見せでね。 by 藍華
あ・・・。 by アリス〉
〈私たちはこいつに乗って大切な気持ちを届けるお手伝いをする。
ウンディーネさんたちはゴンドラに乗って
大切な気持ちを作るお手伝いをするのがお仕事なのだ。
大切な気持ちを、作るお手伝い・・・。 by 灯里
素敵なお仕事なのだ。 by ウッディー〉
海中に沈んだ基地を発見した灯里たちは、島に残っていたお墓の中にあて名の男性の名前を見つけます。後からお花屋さんのエアバイクを借りて駆けつけてくれたアリシアさん持参の専用モニターでデータチップの中身を再生する灯里たち。
〈お墓と海中に沈んだ開拓基地〉
〈多分その手紙は、事故の情報が伝わる前に出されて
行き場を失った迷子の手紙なんじゃないかしら。 by アリシア
・・・だとしたら、宛名の人はもう。 by 灯里〉
その中には、アクア開拓時代遠くはなれた開拓基地の恋人へ宛てた届くことの無かった女性の想いが込められていました。
そしてその中には『アミ』という名の猫の姿が。
〈海岸線が随分上がってきたわ。予定水位まであと少し。
きっとアレンたちが掘り出す水が家の前の水路を満たしてくれる。
そしたら・・・私のところにアレンが帰ってくる。
一人きりの結婚記念日なんて今年限りにしてよ。〉
〈アクアに来る時、アレンが言った言葉、私は忘れてない。
アクアはいつか必ず、幸せで満ち溢れた星になる。
そのために、俺たちが水を掘るんだって。〉
〈私、その言葉を信じてる。今は辛いことも多いけれど
・・・きっと、私たちの子供の時代には、アクアに笑い声が溢れてるって・・・。〉
〈私も・・・ホントは今すぐにでも会いに行きたい・・・出来ることなら。
だけど、それは無理だから。だから、せめて私の心だけでもアレンに届けたい。
愛してるわ、アレン。 by データカードの女性〉
〈あの子が届けたかったのは、この想い・・・。
今、届けたから。ちゃんと、届けたからね・・・。 by 灯里〉
灯里が空間と時間を超えて届けた一通の想い。それはずっと昔に人が住める状態でなかった星を切り開き、今のネオヴェネチアを含むアクアという奇跡を作り出した想いの欠片でした。その想いに触れた灯里たち3人はオレンジに包まれた島を後にしました。
〈ネオヴェネツィアは奇跡で出来てるって、
前に灯里さんが言ってたけど、
もしかしてアクア全部が優しい奇跡で出来てるのかもね。 by アイちゃん〉
ARIAの第1期でも屈指の良い話ですね。何回も見てるはずですが、それでもまた女性のセリフのところでジワーっと来ました。
ウッディーの初登場の回でもあります。このウッディーの本名は、綾小路宇土51世。天野こずえさんの作品『浪漫倶楽部』の部長の子孫なんですね。そのまんまですがw
あとはアミが可愛いと。
次回は、『その あるはずのない島へ・・・』。まぁ、水着回ですかw