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『杉原千畝 スギハラチウネ』鑑賞。〈ネタバレ感想あり〉

ねえ千畝さん、あなたは今でも世界を変えたいと思っていますか?




けんちー的満足度・☆☆☆☆★(4.2)




14時29分。
ムービックス尼崎で本日公開の杉原千畝 スギハラチウネ』を鑑賞してきました。いやぁ、最近映画ばっかり見てますけど、やっぱり会員価格でいつでも1200円というのは強いですね。バイクで家を上映30分前に出たら間に合うし。


ちなみに、映画館は若い女子率が非常に高かったです。FREE!の原点である『ハイ☆スピード』公開中だから。
それに比べて『杉原千畝』のじーちゃんばーちゃん率の高さ。終わった後に年配の人がこんだけ多かったのって初めてかもです。
でも、とにかく良い映画でした。


命のヴィザ



ということで、感想書きます。ネタバレ注意。






・けんちーは浅学なので杉原千畝さんについての知識はゼロでした。ということで、まずはどういう人かを。

杉原千畝

杉原千畝
昭和時代の外交官。
明治33年1月1日生まれ。大正8年外務省の留学生試験に合格し,ハルビン学院でまなぶ。昭和15年リトアニア領事代理のとき,本省の命令に反し,約6000名のユダヤ人難民に日本通過のビザを発給。昭和22年ルーマニアの捕虜収容所から帰還後,外務省を免職となる。60年イスラエル政府の「諸国民の中の正義の人賞」を受賞。昭和61年7月31日死去。86歳。

・とにかく、滅茶苦茶有能な人ですね。諜報と外交の達人で、それでいて自分の立場を失うことを承知の上で、虐殺されるユダヤの人たちのために、脱出の寸前までヴィザを出し続ける心も持ってると。で、最終的には、外務省を追われながらも貿易会社に入り念願のモスクワへと渡ったと。今現在、千畝さんが救ったユダヤ人の子孫たちは世界中に40000人もいるそうです。
 それだけの人の命を守って、なおも天寿を全う。もう一度言いますが、有能だなぁ。

決断



・登場する人々もキャラが立ってました。リトアニアで雇ったリトアニア生まれのドイツ人秘書官は、最初ユダヤ人のことを『やつらは仕事を奪い取るだけのダニだ。』と嫌悪してたんですが、千畝と一緒に仕事するうちにその心に感化され、最後はヴィザ発行の手続きを少しでも早くして多くのユダヤ人を逃がすために、千畝のサイン一式を一つのハンコに掘って効率化したりね。

列車で去った後も、承認印一式を託して



・助けられるユダヤの人たちも妻の幸子さんもドイツに侵攻されたポーランド出身の運転手もそれぞれに物語があって見せ場が多いんですが、そんな中でもリトアニアを去った後の赴任地であるドイツの日本人最高指揮官的な役を小日向さんが演じててそれが印象的でした。
 常に千畝を大馬鹿者呼ばわりしてナチスドイツに心酔してるんですけど、終盤、空襲を受けるドイツの首都で、千畝との別れのシーン。


『破竹の勢いで勝利しているはずのドイツの首都がこのような状況にあることを・・・国力の無い国が無謀な侵攻を続けることがどういう結果になるかを世界に知らせればいい!日本は孤立無援の状態でいずれアメリカに戦いを挑み、負ける。』


『これは私の推測ですが。』という言葉で締めた千畝に対して小日向さん演じる上官は、『君は大馬鹿者だが、君の推測がよく当たるということを私は知っている・・・非常に残念だ。』と返すんですね。
映画のラストそれぞれの登場人物の顛末が描かれる中で小日向さんは収容所の檻の中、笑顔で立ってるんですが良い演出だわぁ。


・ま、日本人の偉人の映画を観たら、単純ですけど、誇らしくなりますよね。鑑賞する人の年齢層は非常に高いと思いますが、観に行ったら清々しく泣けると思います。


新版 六千人の命のビザ

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