50CCカブで超山奥の酷道を行くのはどうでしょう?
7時40分。(リアルタイム更新)
和歌山県川湯温泉にて起床。
美味しいバイキング形式の朝食でした。
腹一杯なったし、本宮へ繰り出しますか。
〈起床〉
8時03分。
R168をちょっと戻って、本宮の町へ。
〈朝の熊野川〉
30メートルを超える巨大な鳥居がR168からもよく見えるんですが、ここは熊野本宮大社が元々あった場所です。かつて、大水害があったときに今の位置へ移されたと。
8時10分。
続いて熊野三山の2つ目、熊野本宮大社へ。
境内で朝の掃除してた宮司さんにいろいろ熊野古道とかに関する話を聞いて、参拝してきました。
〈熊野本宮大社〉
〈八咫烏が熊野のシンボル〉
ここで、昨日誕生日だった工場のスナフキンと、旅行行ったときに個人的にお土産くれる爺ちゃんに、八咫烏(やたがらす)のお守りを買いました。
〈お守り〉
八咫烏ってのは、日本神話において神武天皇を導いた神の使いで三本足のカラスだと云われてます。三本の足はそれぞれ、『仁・智・勇』もしくは『天・地・人』を現しているそうです。
なんですね、普段はカラスって不吉な感じですけど、和歌山に居る間は神聖な生物に見えるんですから、人って単純ですw
〈和歌山では烏が神聖に見えます〉
9時07分。
R168を川湯温泉まで戻って、そこからR311・熊野ロマン街道で30キロほど西進して、道の駅・熊野古道中辺路へ。
〈中辺路〉
折角、熊野三山を参詣に来たんだから、プチでも世界遺産・熊野古道を歩こうじゃないかって趣向です。
〈熊野古道入り〉
ということで、道の駅から片道2キロの場所にある牛馬童子の像を見てきました。
〈予想外に小さな像でした。隣は役の行者像。〉
牛馬童子ってのは1000年くらい前に熊野に参詣した花山天皇の参拝当時の名前でその名のとおり、牛と馬に乗ってます。実は数年前に誰かに頭部を壊されたのを有名な彫刻家の方が復元したそうです。
10時48分。
R168まで戻ってきて、新宮との間にあるどろ峡街道熊野川。
『どろ』という感じはさんずいに静って書くんですけど、綺麗な峡谷ですよ。
〈青空が映えます〉
11時20分。
新宮市内に入って、まずは住宅地のど真ん中にある国の天然記念物・浮島の森へ。
〈100円。左のゴツイのが、伝説の少女・おいのちゃんですw〉
本当に住宅地の真ん中に急に沼があって、その沼の中にある森、それが浮島の森です。その名のとおり、植物の遺骸が集まって出来た浮島で、その中には昔、おいのという少女が大蛇に飲み込まれたという曰くのある底なし沼があったりします。
〈住宅地のど真ん中に鬱蒼とした森が〉
この島に棒を突っ込むと30メートル以上も沈み込むという本当に底なし沼です。寒冷地帯の樹木から亜熱帯の樹木まであるという、学術的にも貴重な自然体系だそうです。
12時02分。(リアルタイム更新)
新宮のオークワのベンチで休憩中です。
朝から熊野古道歩いたり、昨日から400キロ弱走ってる疲れがちょっと来てます。
12時34分。
オークワを出た後、神倉神社へ。
〈神倉神社山麓〉
この神社は、熊野の神様たちが最初に降臨した場所だと言われていて、毎年2月6日には松明を掲げた男たちが石段を駆け下りるお燈祭が行われるそうです。
っていうか、この石段、けんちーが今までに見たことがないくらいの異様な角度なんですけど、傾斜60度くらいありそうな・・・高所恐怖症の人は上ったら降りられませんよ。
僕は怖かったですもの。手すりが必要だ。ここを駆け下りるとか・・・火を持った状態で、誰かこけたら死者多数ですよ、絶対。
〈漢たちが駆ける歪な石段〉
でも、そんな恐怖の急石段を登って向かう山上。御神体は巨大な岩なんですけど、今回参った熊野三山のどこより神秘的な雰囲気が漂ってましたね。
〈巨石〉
13時02分。
神倉神社から近い場所にある、熊野速玉大社へ。熊野三山の最後の1つです。
〈神倉神社から徒歩でOK〉
〈熊野三山の最後の1つ〉
サクサクと参拝してきましたw
13時24分。
新宮の町を出て、R42・熊野街道で太平洋沿いを北上。
〈海岸線沿い〉
ウミガメが泳ぐ珍しい道の駅、紀宝町ウミガメ公園で昼ごはんをば。
〈紀宝町ウミガメ公園〉
14時32分。
海を眺めながらR42を北上して、熊野市へ。
〈新宮から熊野市まで30キロも続く七里御浜です。
ここから北はリアス式海岸が続き、獅子岩や鬼ヶ城もその一部と。〉
花の窟神社。
ここのご神体も巨大な岩・・・というか崖です。
〈神々のルーツ〉
昔々、たくさんの神々を産み出したイザナギ。最後は、火の神・カグヅチを産み出したときに下半身を大やけどして亡くなったんですが、ここがそのイザナギの墓所だと云われてます。
熊野の神様のお母さんもこのイザナギなんで、ここがルーツと言うわけですね。
ちなみに、夫のイザナミがキレて斬り殺したカグヅチも同じ場所に奉られてます。
14時47分。
すぐ近くにある獅子岩。
波の浸食でできた獅子の形の岩です。
〈見える〉
15時00分。
もうちょい北へ行って、奇岩の続く鬼ヶ城へ。
ここは、昔、家族でドライブに来た思い出の場所なんですが、脇にあった鬼ヶ城センターっていう観光施設は潰れてましたね。儲からなかったんでしょうね〜、廃墟の横を抜けていく感じになっちゃってて、何だか物悲しかったです。
〈ちょっと寂しい〉
〈鬼ヶ城〉
ここで、会社へのお土産買って、そこのおばちゃんに『これから山に入るんだけど近くにコンビニありますか?』って聞いたら、『ちょっと戻って。』といわれたので、熊野市街にあったジャスコで夜食とかチューハイとか買い込みました。
〈田舎のジャスコは袋代が5円!〉
16時35分。
R42→R309・東熊野街道→R169で、夕闇迫る山道を宿屋に向けて、北上。
〈まだ余裕があると思ってました〉
17時17分。
道の駅・吉野路上北山。
〈宿屋は近いと思ってた〉
今夜の宿に近づいてきたので、宿屋に連絡。民宿なので、着く時間は知らせておいたほうが良いかなと。
そしたら、民宿のおばちゃんが、『上北山!?ゆっくりでも良いですから、とにかく、安全運転で!!』と結構な必死さで言ってたんですよね。そん時は、聞き流してたんですけど、これがああいうことだとは。
この時点では、もうちょいで宿だと気楽なもんだったんですけどねー。
17時33分。
R169から天川村へ向けて、R309で西進開始!
〈マイクロバス以上の車は通行不可〉
〜19時くらい。
R309をR169から天川村へ向けて走行中。
いやぁ、恐ろしい道です。
雰囲気的には、昨日本宮から那智山へ抜けた県道に似た雰囲気なんですけど、それをさらに上回る山奥と山越えっぷりで。そして、道には当たり前のように落石があり、しかもところどころアスファルトが剥がれてると。
で、何より怖いのが、道のあちこちにある注意書きが『落盤注意』なんですよね。落石注意は山へ行けば、よく見かけますが、落盤って・・・FF5の風水師の『ちけい』コマンドくらいでしか見ませんってw
〈尋常でない山奥〉
で、何とかほんのわずかな明るさが残ってるうちに、山の頂上に位置する『行者還(ぎょうじゃがえり)トンネル』までやって来ました。
で、このトンネルが2キロほどある直線トンネルなんですが、照明一切なしと。怖すぎますってw 周りを一切見ずに後ろも全く見ないよう意識して、遥か前方の出口までダッシュで走り抜けましたが、これがあと10分後なら日が完全に暮れて抜けられなかったかもしれません。
〈ギリギリ暗くなる前で心から助かった・・・〉
で、トンネルを抜けた直後に周囲は一切の闇に。
トンネルの位置は実は、R169と天川村の集落の中間より東寄りなんで、そこからが長かったです。見える光は相棒のカブのヘッドライトとそのライトに浮かび上がる反射板だけ。ガードレール以外に人工物は一切無く、集落までどのくらいの距離があるのか見当も付かない山奥、しかも道は細くてあちこち土が露出してて、ライトの照らす範囲から一瞬でも気を抜くと転倒する可能性が大。
対向車も同方向の車も一切居ないし。
今までの人生で最大級の死を身近に感じましたね。
まぁ、家に居れば、横になってMAJORでも見てる時間なんですが、経験の密度が全然違いますなぁ。途中、ライトの中に一瞬獣の目が光ったんですが、道の真ん中に仁王立ちしてたシカがガードレールを飛び越えて去っていきました。
心臓が止まるかと思いましたね。
とても『シカでした』とか、アホなことを言える気分では無かったです。
19時20分。(リアルタイム更新)
僕は今、生きてます。
それだけで十分です。
天川村の民宿に着きました。R169から西に延びるR309。それが酷い道でした。
20時34分。(リアルタイム更新)
晩飯の味噌鍋食べました。とても美味しかったですが三人前くらい優にありました。死ぬ気で食べましたがw
〈一人分とは思えない量でしたw〉
で、民宿なのでテーブルの隣に別の夫婦がいたんで、挨拶したんですが、カブの話をしたらオカシナ反応が。
かまをかけたら、夫婦でけんちー以上の藩士でしたw彼らの車にもグッズが乗ってたり、旦那さんの携帯ストラップに藤やんが居たり。
札幌の高台公園にも鹿児島の白くまにも、ラディッシュにも行ったことがあると。
ぼくらの話の結論として、新作はアフリカで大泉洋が象とサッカーで決定w
ついでにその夫婦も大阪市内在住でした。偶然ってあるな〜。
21時28分。(リアルタイム更新)
シャワー浴びて、布団に入ってます。
ふしぎ発見見ながら寝ましょう。
この日の走行距離は215キロ。あちこちよく回ったので、走った距離自体は少なめでしたね。最後がとにかくきつかったけどw