けんちーのアニメ中心生活ブログ改

『彼岸島』。

本当の地獄は、これからだ。




けんちー的満足度・☆★★★★
本日観に行った彼岸島の感想をば。
どうせ、しょうもない映画だろうと思ってたので、ちょこちょこっと数行感想書いて終わるつもりだったんですが、予想以上の映画だったんで。

見ての通り、下に何処かで見たような文字がw



以下、ネタばれ警告です。

















あらすじ

高校生の宮本明(石黒英雄)の兄の篤(渡辺大)は、数年前に恋人の故郷へ旅行に出掛けたまま失踪しており、今なお行方がわからないままだ。そんなある日、明の前に謎の女性・青山冷(水川あさみ)が現れ、兄は彼岸島という孤島にいると告げる。
明は単身吸血鬼が棲むという島に乗り込む決意をするが、幼なじみの仲間たちも同行することになり……。(yahoo映画より)


あと、感想と内容を散文で。ただし、今、手元に原作本が無いのと原作の26巻辺りまでを通しで読んだのが相当前なんで記憶はあやふやです。違っててもご容赦を。


・映画の冒頭シーンは第1巻の最初と同じで彼岸島に誘い込まれたサラリーマンが吸血鬼に血まみれで追い詰められたところを篤が助けるものの、おっちゃんも既に感染してて襲ってきたので篤が丸太で首から上をプチっと潰してスタートと。昼飯を食べた後だったんで、きつかったものの原作どおりのブチまけっぷりに喜び(?)ました。
 その後、島に船が到着してワラワラワラーっと家々から吸血鬼の大群が出てくる辺りまではかなり良い出来だと思ってたんですけどね。

6名様ごあんな〜い♪



・船で島へ向かうシーンなんですが、原作では友達のチンピラ集団30人くらい集めて2つの船に分けられて出港したのが、映画では明のグループの6人だけでした。
無いですってw 一体でも強い吸血鬼が複数棲んでるって島に6人だけで行くとか。ちなみに、序盤の名シーンである島到着前、霧の海での吸血鬼襲撃シーンは無く、あっさりと島へは到着しました。

吸血鬼が巣食う離島へ高校生6人だけで上陸する馬鹿な勇敢な主人公たち



・最初に令の見張りとして本土へやって来て片付けられた大男の吸血鬼ですが、映画ではかなり強化された吸血鬼だったらしく、後々まで出てきては半分サイボーグな笑える中途半端なキャラとして、篤の前にネチネチと立ちふさがります。変にサイボーグっぽいし怖さが薄れる薄れる。

皮膚が剥がれるとほぼ全身サイボーグです



・途中で自分からはぐれたポンですが、映画では亡者(吸血鬼からもはぐれ者にされた悲しい怪物)とか出してる時間は無かったんで普通の吸血鬼として明たちに襲い掛かり、手を出せない明を跳ね飛ばして篤が頭をザックリと貫きました。


・雅(みやび)の側近として翼を持った鳥人みたいなの(婆さんが変身)が居て、ユキをさらったりポンを襲ったりするんですけど、そいつもまあ篤に割りとあっさりやられました。


ここから、映画中での各キャラの感想を。
・まず、主人公の明。確かに原作でも元から素質はあったんでしょうけど、映画の中の明はただの素人+αレベルだったのが、15分くらい(長く見ても)だけの修行で木の葉の一枚一枚の動きを見切って切り裂けるほどレベルアップして・・・明鏡止水の心をそんなわずかな間でマスターしましたか?凄い御都合主義。
原作では師匠たちの下でかなりの期間修行して吸血鬼たちを十分に圧倒できる力を身に付けましたよね。


・兄貴。強くて格好良いのは良いんですが、どうも棒読み臭かった・・・でも、まぁ、兄貴は及第点です。

兄貴はギリギリセーフ



・明グループの西山と加藤。・・・何もしてない、いる意味なし。見せ場もゼロ。いやぁ、二人とも原作ではそれぞれきっちり働いてるのになぁ。
ってか、加藤!!誰ですか?あのムカつくデブは。加藤って原作では、あんまり役には立ってないような気もするけど、どこか一行を和ませるムードメーカーでしょ。今回、ムカつくだけのデブでしたよ。加藤って名前ついてるだけで完全に別人だし(怒)


・ユキ。確かに美人さんだけど・・・上の二人と同じく活躍はゼロ。捕まっただけ。弓持って行ってるのに全く使う機会も無かったし。ケンちゃんを助けに行く!!って我を張るところは良かったけど。

結局、弓を使ったのは部活のシーンだけ



・一番酷かったのが師匠。大きさと風貌はまあ割りと忠実に再現してあるんですが。(流石に大きさもちょっと小さいけど)声も・・・しょぼい、ボイスチェンジャーでくぐもらせた感じで不満だったけど。そもそも、肝心のキャラが全く持って最低すぎました(怒)
 ラストのクライマックスで邪鬼(オニ)が出て総員でそれに当たるんですが、師匠の名前を騙ったその木偶の坊が何をしてたかというと・・・みんなが命をかけて戦ってるのに、後方で突っ立って『令、大丈夫か〜?』とか頭おかしいことを聞くだけ。そして、情勢が悪くなったら『撤退・・・。』ってボソっと言って、誰より先に自分が逃げるし(怒)
何ですか、あれ!?本当の師匠は誰より優しい心を持ってて、自分の仲間を逃がすために最後尾で体を張って戦う漢でしょ!?思わず、『おい!!』って叫びそうになりましたよ。映画終わったあとで、母さんに師匠のこと言ったら『ああ、あの何もしてなかった人?』って言ってましたものw


・そして、最強のラスボス・
 30巻近く行ってる原作でまだまだ君臨する言わずと知れた恐怖の象徴です・・・が、劇中ではただの変態イロモノオヤジでした。何でしょうな、映画の雅で一番印象残ってるのが、ゲヘゲヘ笑いながら、令を犯しつつ血を吸うシーンですよ。何じゃそりゃ?

色ボケ雑魚雅(みやび)



 ユキを人質に取った後は、戦隊ものとか仮面ライダーで最後に怪人と戦うような採石場っぽいところで、いっぱい雑魚引き連れて篤たちを待ってるし。頭悪そ〜過ぎる。
 で、そう苦労した様子も無く最後は篤と明の二人の刀でぴょ〜〜んとアホみたいに首が飛んで。跳んで横倒しになった首がアップで映って笑顔で何か(最早何言ったか忘れた)、最後に言うんですな。そのシーンがあまりにふざけてるから、映画館の至るところで女性がクスクス笑うんですよ。僕も映画の間中いろいろ、呆れとか腹立ちとか抑えて観てたんですが、そこのシーンは何かを諦めるような気分で笑いました。
 何が悲しゅうて、全ての悲劇を生み出したラスボスが死ぬシーンで映画館から笑い声が響かなきゃいけないんですか?



まぁ、そんな感じの映画でした。原作のファンが見たら、心が広い人で呆れ返るくらい? 僕も気が長いほうであろうと努めてるんですが、流石にあまりの酷さにちょっと腹が立ちました。キャラとか原作コミックを愚弄してますね。まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないですけどね。監督、日本人じゃないし。
とりあえず監督に『原作で雅を倒して平和な日々を取り戻すために、命を散らし続けてるたくさんのキャラたち(原作の篤含む)に土下座しろ。』と言ってやりたい気分になりました。



原作も半分、アクションな漫画だから仕方ないのかもしれないんですけど、ホラーにしたいのかアクションにしたいのか中盤以降は見事に中途半端な作品に仕上がってました。正直、この数日見てたバイオ・ハザード4のプレイ動画の方が余程怖いくらいでしたし。
そのくせ、最後は離れ行く彼岸島に雷が落ちて、串刺しにされた雅の首がニヤリと笑い、『続く』・・・かもしれん。みたいな、ホラーにしたいのかな?って、感じの終わり方で。



僕はこれほど、続編あっても見たくない映画って初めてでしたけど、原作を知らない母さんは『面白かったで。』と言ってたんで、観に行きたい人は行っても良いと思いますよ。(なげやり)