『なんてこった。』
――俺はハルヒに会いたかった・・・。
けんちー的満足度・☆☆☆☆☆(殿堂入り)
はいっ。今日梅田のブルク7で観てきた『涼宮ハルヒの消失』の感想を。
〈こいつは俺に選択権を委ねたんだ。 by キョン〉
事前に『この映画から2010年は始まる!!』とかかなり良い映画だってのは聴いてたんですが、想像以上の良さでした。けんちーは、原作小説は読んでなく、事前知識は一番外側のガイドラインしか知らない状態だったので特に良かったです。
多分どこの映画館でもレイトショーは無いと思うので、1800円ですか?定価になっちゃいますが、涼宮ハルヒをちょっとでも知ってる人なら見に行くべきですね。TV版のシーズン1と(特に)シーズン2のエピソードが深く関わってきますし、キョンの想いもこの映画に集約してきますし。
以下、ネタばれ警告!!
ラスト1/3については何も書きませんが、そこまではネタばらし/感想かなり書くので見に行くかも知れない人は絶対に見ちゃ駄目です。もう一回言います。絶対に見ないでください!!そして、上映時間はほぼ3時間あるので事前のトイレは必須です。席を外しても良い場面なんてありませんよ♪
あらすじ
『涼宮ハルヒ?それ誰?』
って、国木田よ、そう思いたくなる気持ちは分からんでもないが、そんなに真顔で言うことはないだろう。だが、他のやつらもハルヒなんか最初からいなかったような口ぶりだ。混乱する俺に追い討ちをかけるようにニコニコ笑顔で教室に現れた女は、俺を殺そうとし、消失したはずの委員長・朝倉涼子だった!(小説版・出版社の紹介文より)
ってことで、以下あらすじを追いながら感想を。
何回も言ってますが、原作未読で映画初見なので、正確な台詞とは違いまくってると思います。雰囲気というかニュアンスで見てやってくださいw
・12月16日。
一週間と一日後にクリスマスを控えたそんな時期。
『そういうことで、SOS団クリスマスパーティーの開催が全会一致で可決されました。 by ハルヒ』
ハルヒのいつもの思い付きでクリスマスパーティーの開催が決定。ちょっと笑っちゃうようなやり取りも交えつつ、平穏な日常です。
〈いつもの思い付き〉
・12月17日。
何事も無く一日が過ぎていきます。部室の飾りつけをハルヒが強引に進める中、飾り付けのリースが切れたって言うんで、キョンが帰りに自腹でリースを買ってこさせられるはめに。帰り道沿いにあるファミリーマートでリースを買うキョンと。
・そして、運命の12月18日。
いつものようにキョン妹に引きずり起こされて、いつものように登校した学校。昨日までみんな健康だったのにいきなり蔓延している風邪に、昨日交した会話が全くかみ合わない友人たち。そして、キョンの後ろに座っているべきハルヒも風邪で欠席と。少しの違和感を感じつつも、キョンは半日を普通に過ごします。
・12月18日昼休み。
『ここはお前の席じゃない!!
ハルヒの席だ!! by キョン』
風邪で休んでいたというその人が教室に入ってきて、そしてハルヒの席であるはずのキョンの後ろの席へ。いわずと知れた朝倉良子、その人でした。あまりの出来事に朝倉を警戒しまくるキョン。そして、その後見せられた学生名簿と国木田の反応でハルヒの存在が消えていることを知ったキョンは半狂乱状態でクラスの何人かに『涼宮ハルヒを知ってるな!?』と詰め寄り、これが現実であることを認めます。
いやぁ、映画を見てるこっちにはキョンに凄く共感できるんですが、突然狂った友人を見るようなクラスメートの反応が凄く痛かったです。それだけに、キョンのショックの大きさが良く伝わってきて。
・『俺が狂ったのではないんだとしたら、ついに世界が狂ったのだ。 by キョン』
教室を飛び出たキョンは、こういう異常な事態に対処できる超能力者・未来人・宇宙人の顔を思い出し、まずは1年9組の小泉の下へ。
・・・小泉がいるはずの9組の教室そのものの存在が北高から消えていました。
呆然と午後の授業を聞き流したキョンは、放課後、廊下を歩いてくるみくると鶴屋さんコンビを発見。みくるにダッシュで近付いて『ハルヒが消えていること』・『小泉のクラスが漂流教室になっていること』をまくし立てますが、みくるにはパンチをかまされ、鶴屋さんには締め上げられて・・・二人ともハルヒのこともSOS団のことも全てを覚えておらず、未来人でもなんでもないただの少女になってました。
・12月18日放課後。
キョンは残る最後の希望、この時間はSOS団部室で本を読んでいるはずの長門有希の元へ。
長門は居ました。いつもの、部室の隅っこでパイプ椅子に座って一人本を読んで。
長門に詰め寄って乱暴に事態の確認をするキョン。
〈詰め寄る〉
しかし、そこに居た長門の答えは全て『ない』。今までどんな異常事態になっても最後には救ってくれたキョンに残された最後の希望・情報統合思念体(宇宙意思)の端末であるべき長門有希はただの気の弱い、人見知りの文芸部員になっていました。
そんな中、キョンは何も無い文芸部室の中で異彩を放つパソコンに目を付け、長門に了解を取ってから中身を調べますが、SOS団のHPにも繋がらず、MIKURUの隠しファイルも存在せず、以前ハルヒと二人で閉鎖空間に閉じ込められたときのような長門(元Ver.)からのメッセージも無く。
絶望して部室から出ようとしたキョンを何故か呼び止める長門。
『待って。よかったら・・・持っていって。 by 長門』
若干、頬を染めた長門が差し出したのは白紙の入部届けでした。
この時のキョンの心境が・・・。まさに長門は最後の希望でしたからね、滅茶苦茶この消失Ver.長門は可愛いんですが、キョンには最後の希望を吹き消す死神にも見えたでしょうね。
・12月19日放課後。
『俺は今、幸せなのか? by キョン』
超能力者も未来人も宇宙人も涼宮ハルヒもいない平穏な一日を無気力に送ったキョン。いつもの習慣もあって放課後に文芸部室へと向かいます。
続かない長門の会話を一段落したキョンは部室の本棚に見覚えのある本を見つけます。それは元の世界の長門がSOS団結成初期にキョンに貸し出し、そして待ち合わせの日時を書き込んだ栞(しおり)を挟んだまさにその本でした。
恐る恐るその本から栞を抜き出し裏側を見るキョン。
『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後』
この時のキョンの喜びようったらw 僕も感動ですよ、もちろん。
・12月19日メッセージ発見から数時間後。
『来る・・・?私の家。 by 長門』
『鍵』を探すべく部室の本棚を荒らしまわったキョンですが収穫はゼロ。帰ることを長門に告げると、それを待っていてくれたかのように長門も下校。一緒に学校をあとにすることに。そして、2日前にリースを買ったファミマの前で長門が一言。
〈まさかの自宅への招待〉
関係無いですがファミリーマートの力は凄いですね。マクロスFの劇場版でも劇中の重要なシーンが店内で行われてたし、今回も元の世界とを繋ぐクリスマスのリースの購入も含めて4回出てきますからね。これで、店内でランカの『ファミリーマートコスモス』が流れてたら《超時空コラボ》なんですが。有り得ねーーーwww
〈ここにもコスモス、ファミリーマート♪〉
・12月19日夜。
『なんてこった
――俺は、ハルヒに会いたかった・・・。 by キョン』
長門のマンションで何故いきなり襲い掛かってきた(?)キョンにこれだけ、良くしてくれるのかの理由となる思い出を聴いたキョン。その後、長門と仲が良いらしい朝倉もやって来て、鍋を食います。
〈鍋というかおでん〉
帰り際、部屋から出るときに明日も部室へ行っていいかを尋ねたキョンに対し、長門は小さいけれど確かな微笑みを見せました。一人の弱気な少女としてはとても可愛い微笑み・・・しかし、元の世界での長門を知っているキョンの心には目眩を起こさせるほどの衝撃を与えて。
〈無言でキョンを引き止める長門〉
家までの帰り道、自分が今、誰よりハルヒの顔を見たいと思っていることに気づいてしまったキョン。自分の部屋へ帰って、夢の中でさえハルヒを見ることなく、栞に書かれていた最終期限・この世界になってからの二日目を迎えます。
いやね、消失Ver.長門は何はともあれ滅茶苦茶可愛いんですよ。ジャストミート!!って感じで。えーとね、けんちーがキョンなら『あー、もうこの長門とイチャイチャ楽しくやっていけるなら、もう元の世界に戻さなくて良いや。』とか普通に思うくらいにw
・12月20日朝。
『そのハルヒってのは、涼宮ハルヒのことか? by 谷口』
『鍵』を見つけられず最終期限の日を迎えたキョン。相変わらず、無気力に学校へ行き、国木田と風邪を一日で回復させて出て来た谷口と会話中。何気なく触れた、一昨日の半狂乱の話題で谷口から『涼宮ハルヒ』の名前が!
谷口が中学のときに同じ東中に通っていた変人・涼宮ハルヒ。今は、進学校である光陽園学院に通っていることが判明して、キョンは即効で早退しました。
〈過去に涼宮ハルヒの痕跡を発見〉
・12月20日放課後。
『涼宮ハルヒ――やっと、見つけた。 by キョン』
光陽園学園の校門近くでずっと張り込みをしていたキョン。その目の前についにハルヒ(と小泉)が。
〈世界を構築する能力を失い、普通の少女と化したハルヒ〉
震えて動かない足を何とか引きずり、ハルヒに話しかけるキョン。しかし、当然ハルヒは見ず知らずのストーカー男のことなど気にもかけず、最後はしつこいキョンに対してローキック。騒ぎを起こしたキョンは守衛に取り押さえられます。
・『三年前の七夕を覚えているか? by キョン』
守衛に取り押さえられたキョンは去り行くハルヒに向かって、最後の賭けとなる言葉を放ちます。それは、3年前の7月7日の夜(TV版シーズン2の第1話『笹の葉ラプソディー』)の出来事。
〈鍵は3年前の7月7日〉
『女の子を背負った男が一緒にいて、お前はそいつと一緒に絵文字を書いた。
内容は織姫と彦星へのメッセージ。
内容は多分・・・《わたしはここにいる》。 by キョン』
『そして、その男の名は・・・ジョン・スミス。 by キョン』
いやぁ、嬉しいですね。これは、このどうしようもない状況での最後の切り札が『笹の葉ラプソディー』での一件とは。どうでも良いですけど、けんちーの誕生日も7月7日なんでね、自分の誕生日記念(!?)に去年の7月7日にあの話の感想も書きましたよ。その話がこの映画に深く食い込んでくるとは・・・無駄に嬉しいですw
・12月20日放課後。3人で喫茶店にて。
『ジョン・スミスには二回会ったわ。 by ハルヒ』
『ジョン・スミス』という名前によって、他の誰でもない涼宮ハルヒ本人とこの世界で初めて過去の共有という繋がりを得たキョン。校門前での一件の後、近くの喫茶店で元の世界のこと、自分に現在起こっていることの全てを2人に話します。
小泉は話半分に聞いてましたが、この世界では鬱々と満たされない生活を送っていたハルヒにはとても効いたようで、それまでキョンと出会う前の憂鬱な表情をしていたハルヒが一瞬で元の世界のハルヒと同じ性格へと解放されました。
〈ハルヒ覚醒〉
そこからは、急展開。いつもの最強パワーを手に入れたハルヒを止めることは誰にも出来ず、一気に北高へと乗り込み、みくるを拉致して、戸惑う長門も押し込んであっという間に文芸部室にSOS団・団員が全て集められました。
んー、やっぱりハルヒはこうでないと。今までこの世界で誰にも頼ることが出来なかったキョンでしたが、ハルヒパワーが出れば無敵ですよ。小泉も記憶は無いとはいえ、いつもの的確な判断で事態の分析をして協力してくれますし。
・12月20日放課後。北高文芸部室。
『すまない、長門。これは返すよ。 by キョン』
全員集まったは良いもののすべきことが分からないで居るうちに、いきなりパソコンが独りでに起動。そして、いつかの閉鎖空間のときと同じ『YUKI.N>』のメッセージが。『鍵』であったSOS団の全員がこの部屋に集められたことによって、元の世界の長門の用意した緊急脱出プログラムの起動条件がついに揃ったんですね。
メッセージの内容は、このプログラムが成功する保証はどこにも無いこと、キョンが元の世界に帰られる保証も無いこと、そして、このプログラムが発動できるのはこの一回が最初で最後であること・・・そして、この世界を消し去り元の世界へ戻りたいならENTERキーをこの世界で生きることを望むならそれ以外のキーを・・・というものでした。
考えをまとめたキョンは迷うことなく白紙の入部届けをこの世界で平凡な一人の少女として生きる長門へ返しました。それを悲しげに受け取った長門に対して、笑顔で話しかけるキョン。
〈もうひとつの世界のもうひとりの長門〉
『俺は最初からこの部屋の住人だったんだ。
わざわざ、文芸部に入部する必要は無いんだ。なぜなら――』
『なぜなら俺は、
SOS団の団員その一だからだ。 by キョン』
・??月??日。夜の文芸部部室にて。
『今は、いつだ? by キョン』
光に飲み込まれた後、目を覚ましたキョン。そこは誰も居ない夜の部室でした。妙に熱い空気の中を、学外へ出たキョンは下校途中のファミリーマートに置いてあった新聞で日付を確認。そこは、3年前の7月7日でございました。
・3年前の7月7日夜。以前、キョンとみくるがタイムワープした公園。
『これからあなたを導くのは私の役目です。
でも、それ以降は、あなた自身が
導かなくてはなりません。 by 大人Ver.みくる』
ついに時空修復の手段が手に入る段階までたどり着いたキョン。『笹の葉ラプソディー』にてこの時間にやってきた子供Ver.みくると『自分』をやり過ごして、大人Ver.みくるに接触しました。
みくる(大)は今の事態を全て把握しているようで、少しキョンと話した後、時空修復に絶対不可欠なもう一人の元へ一緒に向かうことになります。
〈時空修復をすべく最後のピースの元へ〉
・3年前の7月7日夜。中学校裏の住宅地。
『俺のことを忘れないでくれよ・・・ハルヒ。 by キョン』
話し終えた2人は、中学生ハルヒと『自分』がメッセージを書き終えて帰る頃合いを計って一言。
『世界を大いに盛り上げるための
ジョン・スミスをよろしく!! by キョン』
時空改変後の世界でハルヒが言ってた二人のジョン・スミスってのがこれですね。結局、SOS団発足の原因はキョンだったと。でもこれ言っておかないと、時空改変を防げなくなるし・・・みたいな。複雑ですね〜キョンw
・3年前の7月7日夜。長門のマンションにて。
隣りの部屋に3年間時間凍結中のみくる(小)と『自分』を寝かせたまま、今回の事件のあらましを話し合うキョン・みくる(大)・3年前の長門の3人。
事情を把握した長門はこの場を離れられない自分の代わりに3年後の12月18日早朝4時ごろ、時空改変が行われた直後にその時空改変者に世界構築の再修正ワクチン(短針銃型)を打ち込むよう命じます。
そして、キョンはハルヒ自身がその特異点っぷりを発揮して起こったと思っていたこの事件がハルヒでないある人物によって起こされたものであったことを知ります。雰囲気的にみくる(大)は知ってたみたいですけど。
『ところで』
『誰が犯人だ。世界を変えたのはどいつだ。
ハルヒでないならそれは誰だって言うんだよ?教えてくれ。 by キョン』
『それは―――――― by 長門』
と、まぁこんな感じで、みくる(大)とキョンは3年後の12月18日早朝へとタイムワープして、時空改変者と対峙するわけです。
大分、ダラダラ〜っと長文書いちゃいましたが、この段階で映画は2/3くらいですか。残りの時間が3分の1と。ここからこそが盛り上がるんですよ。時空改変者の正体(この記事の頭の方の画像でバレバレ過ぎるかw)、そしてその犯人が事件を起こした理由、キョンの心の奥深くでの葛藤、そして襲い来るあのお方(w)・・・ここまで、読んじゃってる人には何ですけど、見に行ってください。ホントに。1800円でも損はしない・・・と思います。
ちなみに、EDがまた斬新。
真っ暗なスクリーンにたんたんとスタッフロールだけが流れてね、そこに演奏すらないアカペラである人が歌う『優しい忘却』ってテーマソングが流れるんですね。
憎い演出すぎます。EDでまた泣きました。だって、さっきまで見てた映画のシーンが頭に強制的に浮かぶんですもの。EDで再び泣かされるとか・・・初めてです。
それでも、見に行かない。もしくは、原作読んでるから犯人知ってるもんって人は、 『優しい忘却』で検索しちゃってYOUTUBEででも聴いてください。それで、犯人も分かるはずなので。
終わり!!